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コラム

長引く発熱。それって自己免疫疾患かもしれません。

内科

自己免疫性疾患とは?

 

自己免疫性疾患とは

 自己免疫性疾患は、私たちの体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気です。通常、免疫システムは外部からの侵入者(ウイルスや細菌など)を識別し、攻撃します。しかし、自己免疫性疾患では、この仕組みが混乱し、健康な組織を「敵」と認識してしまいます。その結果、攻撃を受けたところを中心に様々な症状を認めます。2週間程度の発熱を認める場合は、感染症以外に自己免疫疾患を考える必要があります。

主な症状

 自己免疫性疾患は様々ありますので、疾患によって症状は多岐にわたります。

しかし、多くの方が経験する共通の症状があります。

持続する発熱や間欠性の熱(夜になると熱が上がるなど)
疲労感
関節痛
筋肉痛
皮膚の発疹
消化器症状(腹痛、下痢など)

特に、夜間に悪化する発熱は多くの自己免疫性疾患に共通する特徴です。

代表的な自己免疫性疾患

自己免疫性疾患には様々な種類がありますが、以下はその一部です。

関節リウマチ
全身性エリテマトーデス(SLE
多発性硬化症
1型糖尿病
橋本病(慢性甲状腺炎)
クローン病
潰瘍性大腸炎

これらの疾患は、それぞれ異なる症状や影響を及ぼす部位がありますが、根本的な原因は免疫システムの異常反応です。

 

診断と検査

自己免疫性疾患の診断は複雑で、時間がかかることがあります。以下の検査が行われることが多いです。

血液検査(炎症マーカー、自己抗体など)
画像診断(X線、CT、MRIなど)
組織生検
症状の詳細な問診

特に、持続する原因不明の発熱がある場合、自己免疫性疾患の可能性を考慮して検査が行われます。

治療法

自己免疫性疾患の治療は、症状の軽減と進行の抑制を目的としています。主な治療法には以下があります。

ステロイド/免疫抑制剤:免疫システムの過剰な反応を抑える薬
抗炎症薬:炎症を軽減し、痛みを和らげる薬
生物学的製剤:特定の免疫反応を標的とする最新の治療法
対症療法:痛みや発熱などの個別の症状に対する治療

治療法は個々の患者さんの状態に合わせて選択されます。

 

まとめ

持続する発熱や夜間に悪化する間欠性の熱でお悩みの方、これらの症状が自己免疫性疾患によるものかもしれません。自己免疫疾患を罹患した場合、感染症を発症すると重症化する場合もあります。感染予防とともに疾患の早期発見・早期治療が重要ですので、心配な症状がある場合は、医療機関を受診してください。

自己免疫性疾患は完治が難しい病気ですが、適切な治療と生活管理により、多くの方が症状をコントロールし、充実した生活を送ることができています。一人で抱え込まず、専門医や周囲のサポートを受けながら、前向きに病気と向き合っていくことが大切です。 
当院では、総合内科専門医が自己免疫性疾患の診断を行い、連携の医療機関での精査および治療となります。不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。