減量(ダイエット)時にまず食事で気にすること ~PFCバランス~
減量(ダイエット)時にまず食事で気にすること
~PFCバランス~
はじめに
減量(ダイエット)を始めると、多くの人が最初に食事制限に取り組みます。しかし、単に食事量を減らすだけでは、思うような結果が得られないことがあります。効果的な減量のための食事管理について、特にPFCバランスに焦点を当てて説明します。
食事を減らしたのに体重が減らない?何故?
多くの人が経験するのが、食事量を減らしたにもかかわらず、体重が思うように減らないという現象です。これには主に以下の理由が考えられます。
代謝の低下
急激な食事制限や長期間の食事制限は、身体が飢餓状態と認識し、エネルギー消費を抑えるために基礎代謝を下げてしまいます。これにより、同じ量を食べても以前より太りやすくなり、体重も減りづらくなります。また、急激な食事制限は、空腹感も強くストレスも溜まりやすいです。そのため、徐々に食事量(摂取カロリー)を減らしていく方が減量を持続して行えます。
筋肉量の減少
極端な食事制限は筋肉量の減少を引き起こします。筋肉は脂肪よりも多くのエネルギーを消費するため、筋肉量が減ると基礎代謝が低下し、結果的に体重減少が鈍くなります。
リバウンド効果
厳しい食事制限の後に通常の食事に戻ると、体が栄養を蓄えようとするため、かえって体重が増加することがあります。そのため、リバウンドしないためにも食事制限中と減量後の食事内容は大事になってきます。
摂取カロリー<消費カロリーの構図を作る
効果的なダイエットの基本は、摂取カロリーを消費カロリーより少なくすることです。しかし、これは単純に食事量を減らすだけではありません。
適切な摂取カロリーの設定
年齢、性別、身長、体重、活動量に基づいて、適切な摂取カロリーを設定します。極端な制限は避け、緩やかな減量を目指します。
運動による消費カロリーの増加
有酸素運動や筋力トレーニングを組み合わせることで、消費カロリーを増やし、筋肉量を維持させます。
日常活動量の増加
エレベーターの代わりに階段を使うなど、日常生活での活動量を増やすことも重要です。
(当院はビルの3階にあります。通院時は階段を使うように心掛けてみてください!)
PFCバランスとは?
~単なるカロリー制限だけではよくないのか?~
PFCバランスとは、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の摂取比率のことです。単にカロリー制限だけでなく、PFCバランスを考慮することは以下の理由で重要になります。
栄養バランスの確保
各栄養素には固有の役割があり、バランスよく摂取することで健康的な減量が可能になります。
筋肉量の維持
適切なタンパク質摂取は、ダイエット中の筋肉量維持に不可欠です。筋肉を維持させるためには体重1kgあたりタンパク質1.0g以上を摂取する必要があります。
満腹感の持続
タンパク質や食物繊維を含む炭水化物は、空腹感を抑える効果があります。
代謝の活性化
適切なPFCバランスは、体の代謝を活性化し、効率的な脂肪燃焼を促進します。
日本人には炭水化物制限は合わない?
日本人の食生活は伝統的に炭水化物中心ですが、これは必ずしも炭水化物制限が日本人に合わないということではありません。しかし、減量後に炭水化物を摂取することが多くなるのであればリバウンドする可能性があるため、長期間の極端な炭水化物制限は好ましくありません。そのため、極端な制限ではなく、精製された炭水化物よりも、玄米や全粒粉などを選ぶ、適度に炭水化物摂取量を調整するなどで、多くの日本人にも減量効果が期待できます。
脂質を制限することの重要性
脂質は高カロリーであり、過剰摂取は体重増加につながりやすいため、適切な制限が重要です。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸の摂取を控え、不飽和脂肪酸(特にオメガ3脂肪酸)の摂取を心がけます。
※隠れた脂質に注意!
加工食品や外食には、気づかないうちに多くの脂質が含まれていることがあります。
効果的なPFCバランスの実践
効果的なPFCバランスを実践するためのポイントは以下の通りです:
個別化
年齢、性別、活動量、健康状態に応じて、適切なPFCバランスを設定します。
当院では、栄養士と相談しながら食事内容を決めていきます。
食事記録
食事内容を記録し、実際のPFCバランスを把握します。
※当院では、アプリを使用して食事内容を記録して頂きます。
質の重視
各栄養素の質にも注目し、全粒穀物、良質なタンパク質源、健康的な脂質を選びます。
定期的な見直し
InBODYを使用して体重や体組成の変化を評価し、PFCバランスを適宜調整します。
まとめ
効果的な減量には、単なるカロリー制限ではなく、PFCバランスを考慮した栄養バランスの取れた食事が重要です。個人の特性や生活スタイルに合わせて、適切なPFCバランスを見つけ、継続的に実践することが、健康的で持続可能な減量の鍵となります。
ご質問や詳細な説明が必要な点がございましたら、お気軽にお尋ねください。
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