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※受付時間は診療時間終了の15分前までとなります。
※休診日…火曜・木曜・祝日

粉瘤

粉瘤の日帰り手術をご検討されている皆様へ

  • 首から上にできた粉瘤や、複雑な手術が必要な粉瘤に関しては、状態や状況に応じて皮膚科や形成外科を紹介することがあります。
  • 初診では状態の確認のみを行い、手術は後日、日程を調整したうえで実施する場合がございます。
  • 手術後はそのままご帰宅いただけますが、経過観察のために約2週間、定期的な通院が必要です。

粉瘤とは

粉瘤とは粉瘤(ふんりゅう)はアテロームともいい、皮膚の老廃物などが袋状に閉じ込められて内部に溜まってしまうできものの一種です。
内容物には独得のにおいがあり、炎症をおこして可能すると発赤し痛みを生じます。できる場所によって、症状が異なることもあり、また血管に隣接してできてしまっている場合などでは、他のできものと鑑別するために超音波検査を行い確定診断してから治療にかかります。


粉瘤の原因

粉瘤がどうしてできるのかは、いまのところ解明されていません。
ただ、皮膚にできた小さな傷が原因で毛穴の部分で本来外にあるはずの皮膚表面がめくりかえって袋状になり、その中に脱落していくはずの皮脂、角質などがつまってしまうのではないかと考えられています。ただし粉瘤は毛穴のない足裏などにも小さな傷がきっかけでできることもあります。


粉瘤ができやすい人

ホルモンバランスが悪く皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が乱れやすい方、汗をかきやすい方などにできやすい傾向はあり、またできやすい体質の方もいます。
ただし、遺伝などと関係なくどんな人でもできる可能性がありますが、はっきりと解明はされていません。


粉瘤の症状(見た目)

中央に小さな開口部があり、その部分が黒い点にみえることもあります。その部分を中心に皮膚が数mm~数cm程度の大きさでもりあがって、ふれるとゴロっとしています。
いったんできると、自然に治癒することはなく、内容物がたまってどんどん大きくなっていく傾向があります。毛穴のある場所にできやすい傾向はありますが、毛穴のない足裏などどこにでもできる可能性があります。

粉瘤はどうしてぶよぶよする?

粉瘤は皮膚の皮脂や老廃物などが内部に溜まっていきます。するとなんらかのきっかけで常在菌などに感染し化膿してしまうことがあります。これを炎症性粉瘤といい、発赤し痛みを感じるようになります。内部で化膿がすすむと膿がどんどん溜まって腫れは大きくなりプヨプヨとしてきます。


粉瘤の日帰り手術の流れ

1診断

粉瘤のできている場所、大きさ、炎症をおこしていないかなど、医師が視診・触診などで確認し、手術が可能かどうか判定します。手術にはくり抜き法、切開法があり、手術可能な場合はどちらの方法で、いつ行うかを決定します。
炎症を起こして化膿している場合は、内部の内容物を取り除くことが難しく、麻酔が効かないため、まず炎症の治療(抗菌薬治療)を行い、治まるのを待って手術となります。(炎症が強く膿が出てくる場合は、一部切開をして排膿洗浄を行います。)

2局所麻酔

患部をマーキングし、その周囲に局所麻酔を行います。麻酔が効いたことを確認して切除を始めます。

3切開

くり抜き法では、粉瘤より小さな円筒状のものを使って患部の皮膚に穴を開けます。
切開法の場合は、粉瘤の大きさにあわせて皮膚を切開します。

4粉瘤の取り出し

ピンセットなどを使用して粉瘤を取りだします。袋の一部を内部に残してしまうと、そこから再発しますので、取り残しがないように丁寧にすべてを取り出します。
粉瘤が大きい場合は、まず内容物を吸い取ってから残った袋全体を切除します。(悪性の可能性がある場合は病理検査を提出することがあります。)

5洗浄・縫合

患部をきれいに洗って、袋などの取り残しがないことが確認できたら、くり抜き法の場合は基本的に縫合を行わず、切開部は開放しておきます。切開法の場合やくり抜き法でも粉瘤の大きさなどによって縫合を行うことがあります。

6手術後

術後は、すぐにご帰宅可能です。会計をすませてご帰宅ください。当日は運動などを避け、また入浴も避けてください。術後2週間ほどで何度か通院していただき、経過を観察します。


粉瘤の治療

粉瘤は自然治癒しません。また薬で取り去ることもできませんので手術治療が基本となります。炎症がおこっている場合は手術ができませんので、まずは切開や注射器などで膿を取り除いて抗菌薬などを使って炎症が治まるのをまってからの手術となります。
手術方法はくり抜き法と切開法の2種類となります。どちらの場合も日帰りで手術が可能で入院の必要はありません。
くり抜き法は粉瘤の中心を小さめに丸く切開し、そこから粉瘤をくり抜いて取り出す方法で、術創が小さいため目立ちやすい部位の治療に向きます。当院では再発の少ない切開法を中心に行っていますが、ケースによってくり抜き法を行うことも可能です。

切開法

切開法は粉瘤の大きさにあわせて皮膚を切開し、粉瘤をまるごと取り除く方法です。術創は大きくなりますがより確実に取り去ることができます。


粉瘤はほっといても大丈夫?

粉瘤は大きくなったり小さくなったりすることがありますが、一度できた袋状のもの(粉瘤の本体です)は自然に消え去ることはありません。注射などで内容物を吸い出せばいったん小さくはなりますが、時間が経過するとまた内容物が溜まって大きくなってきます。
さらに、放置すると袋が破れて内容物が皮下にしみ出したり、感染して炎症を起こしたりすることもあります。
そのため、粉瘤は、医療機関で切除を行うことが必要となります。


粉瘤とガングリオンの違い

粉瘤は身体のどこにでもできる可能性があり、皮膚が袋状にめくりかえった良性の腫瘍です。
これに対し、ガングリオンは関節包とつながって関節液が溜まった腫瘤で、関節に近い部位にできます。ただし粉瘤も関節近くにできることがあり、正確な診断は医療機関で検査をして行うことになります。