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倦怠感・だるい・疲れやすい

倦怠感の主な原因となる疾患

日常生活に支障をきたすほどの倦怠感が長期間続く場合は、何らかの疾患が隠れている可能性があります。倦怠感を引き起こす主な疾患は以下の通りです。

貧血

様々な原因で起こります。ヘモグロビンの低下により酸素運搬能力の低下するため、倦怠感が生じます。原因は、鉄欠乏性貧血、腎性貧血、消化管出血、悪性腫瘍、亜鉛欠乏、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏、血液疾患、月経過多など多岐に渡ります。

腎性貧血

甲状腺機能低下症(橋本病)

甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、代謝が低下し、倦怠感を引き起こします。
血液検査で診断することができます。経口内服薬でホルモンの補充を行います。

慢性腎臓病(腎不全)

慢性腎臓病(CKD)が進行すると、老廃物の蓄積や体液貯留を認め倦怠感や疲労感を認めることがあります。また、腎性貧血伴い同症状を認めることがあります。これらの症状を緩和するためには適切な治療が必要になってきます。

慢性腎臓病

肝疾患

薬剤、飲酒や感染などで起こる急性肝炎や、飲酒やウイルス感染などにより慢性的な経過で肝機能障害が進行する慢性肝炎や肝硬変の肝疾患で、倦怠感が現れることがあります。
倦怠感の他に眼の黄染、肌が黄色くなったり、お腹の張り(腹部膨満)などあれば、肝疾患の可能性があります。

糖尿病

高血糖が持続することで喉の渇き、多尿や頻尿などとともに倦怠感が出現することがあります。適切な治療を行わないと、糖尿病合併症(失明する可能性もある糖尿病性網膜症、透析療法が必要になる糖尿病性腎症、手足のしびれがおこる糖尿病性神経症)や脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化を引き起こします。そのため、糖尿病を認めた時点で医療機関を定期的に受診して治療を受ける必要があります。

うつ病

うつ病の主要な症状の一つが倦怠感です。内科疾患がない場合、うつ病の可能性を考える必要があります。

慢性疲労症候群

原因不明の疾患ですが、6ヶ月以上続く重度の倦怠感を特徴とします。慢性疲労症候群の症状は多くの場合、時間の経過につれて軽減していくと言われています。根本的治療はありません。そのため、症状に応じた治療を行います(対症療法)。

睡眠障害

睡眠不足や睡眠の質の低下は、倦怠感の原因となります。睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が隠れている可能性があります。

悪性腫瘍

がんの進行に伴い、倦怠感が出現することがあります。原因不明の倦怠感や微熱が続く場合、悪性腫瘍の可能性を考慮する必要があります。


慢性腎臓病で進行した場合にも倦怠感などが起きます

慢性腎臓病(CKD)が進行すると、老廃物の蓄積や体液貯留を認め倦怠感や疲労感を認めることがあります。また、腎性貧血伴い同症状を認めることがあります。これらの症状を緩和するためには適切な治療が必要になってきます。

下記、治療の一例になります。

老廃物の蓄積による場合

尿毒症による症状であり、クレメジン®を使用し、症状改善を図ります。この薬は、老廃物(毒素)となる物質と吸着することで腸管への吸収を阻害し、便とともに排泄されます。注意点としては、他の内服薬と同時に内服すると、その内服薬も吸収されないため、食間に内服する必要があります。

体液貯留による場合

慢性腎臓病により尿量が低下することで体内に水が溜まってしまいます。足や顔にむくみが出るだけではなく、増悪すると全身のむくみや肺に水が溜まります。利尿剤を使用して尿量を増やし、水分制限することで相対的に体内に入ってくる水分量より体外に出ていく水分量を増加させることで症状を改善していきます。

腎性貧血による場合

腎臓からのエリスロポエチン産生(造血作用のあるホルモン)低下、尿毒症性物質による造血障害などによって腎性貧血が起きます。腎性貧血と診断した場合は、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を使用します。種類によりますが、初期治療は1週間あるいは2週間に1回の皮下注射(維持で使用する場合は2週間あるいは4週間)を行います。また、今までは腎性貧血に対して皮下注射の薬しかありませんでしたが、HIF-PH 阻害薬という経口内服薬の使用が可能になりました。この薬剤は、種類によりますが1日1回あるいは週に3回内服して腎性貧血の改善を図ります。ESA または HIF-PH 阻害薬を要するのは慢性腎臓病が進行した場合(基本的にはクレアチニンクリアランス(Ccr)が30mL/分未満)であり、投与の開始時期や投与量は、腎臓内科専門医に相談して決めるのが望ましいです。

腎性貧血


倦怠感・だるさ・疲労感が見られる方へ

倦怠感・だるさ・疲労感は、様々な疾患で生じます。まずは、医療機関を受診して医師の診断を受けることが大切です。不明なことがありましたら、当院までご相談ください。