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夜間多尿

夜間頻尿とは

就寝後に排尿のため1回以上起きなければならない症状を夜間頻尿といいます。加齢とともに増加します。高齢者では50%以上の人が夜間頻尿を経験しているといわれています。
夜間に排尿のために目が覚めることで、睡眠の質が低下し、日中の眠気や疲労感、集中力の低下などを引き起こす可能性があります。


夜間頻尿の原因

病的でない夜間頻尿

飲水量の増加

就寝前に大量の水分を摂取すると、夜間の尿量が増加し、頻尿につながります。

カフェインやアルコールの摂取

コーヒー、紅茶、アルコール飲料には利尿作用があり、夜間頻尿の原因となります。

塩分の過剰摂取

塩分を多く含む食事は、体内の水分貯留を促進し、夜間の尿量を増加させます。

病的な夜間頻尿

前立腺肥大症

男性特有の疾患です。男性ホルモンの影響により前立腺が肥大し、尿道を圧迫することで、排尿障害や頻尿を引き起こします。治療には、α1遮断薬などの薬物療法行いますが、治療効果が乏しい場合は手術療法が検討されます。また、前立腺肥大症の場合は、高感度PSA測定を行うことがおすすめします。この数値が高い場合は、前立腺癌の可能性があるため、泌尿器科での精査が必要になります。

過活動膀胱

膀胱の過剰な収縮により、尿意切迫感や頻尿が生じます。過活動膀胱は、加齢、神経疾患、尿路感染症などが原因となることがあります。治療としては、抗コリン薬などの薬物療法があり、膀胱の過度な収縮を抑制し、膀胱容量を増加させます。他の治療法としては、膀胱訓練、骨盤底筋体操などの行動療法が行われます。これらの方法は、膀胱の過剰な収縮を抑え、排尿のコントロールを改善するのに役立ちます。

神経因性膀胱

神経系の異常により膀胱や尿道の機能に問題が生じ、排尿に関する様々な症状が現れます。神経因性膀胱は脊髄損傷、多発性硬化症、パーキンソン病、脳卒中、脊柱管狭窄症など、神経系に影響を及ぼす多様な疾患によって引き起こされます。治療法は患者の状態に応じて選択され、薬物療法、電気刺激療法、外科手術など多岐にわたりますが、治療目的は、症状の軽減だけでなく、尿路感染症の予防や腎機能の保護も含まれます。

糖尿病

高血糖による尿糖が出現のため、浸透圧利尿が生じて多尿と頻尿を引き起こします。血糖コントロールが重要です。

・睡眠時無呼吸症候群: 上気道の狭窄や閉塞により、睡眠中の呼吸停止や換気不十分な呼吸状態をいいます。これにより、体内の酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が上昇します。その結果、交感神経が刺激され、血圧上昇、心拍数増加、膀胱の過活動などが引き起こされます。夜間頻尿は、睡眠時無呼吸症候群の重要な症状の一つです。持続陽圧呼吸療法(CPAP)などの治療が行われます。

慢性腎臓病

慢性腎臓病の初期は無症状であることが多いです。進行すると、症状が出現し、その症状の一つとして夜間頻尿が認められる場合があります。慢性腎臓病は悪化していくと腎機能低下により透析療法が必要となります。そのため、早期発見と治療により、悪化しないための管理(内服治療や食事療法など)が大切になります。

慢性腎臓病


夜間頻尿の方が気を付けること

カフェインやアルコールの摂取を控える

就寝前のコーヒー、紅茶、アルコール飲料の摂取は避けましょう。

塩分の摂取量に注意する

食事の塩分量を控えめにすることで、体内の水分貯留を防ぎ、夜間頻尿を改善できる可能性があります。

排尿日誌をつける

排尿の回数や量、飲水量などを記録することで、夜間頻尿の原因を特定しやすくなります。

夜間頻尿は、生活の質を大きく低下させる症状ですが、適切な生活習慣の改善や、原因疾患の治療により、改善が期待できます。症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。