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息切れ

息切れとは

息切れとは、呼吸困難や呼吸不全とも呼ばれ、十分な酸素を取り込むことができない、または二酸化炭素を十分に排出できないために生じる不快感や苦しさを伴う症状です。健康な方でも、走ったりする運動時に息切れを起こしますが正常な反応です。しかし、比較的運動量が少ない労作時(平地100m歩行時など)、横になった時や安静時(座っている時)に引き起こされる息切れは、重大な疾患が原因である可能性があります。


息切れの原因

息切れの原因には、主に以下のようなものがあります。

心疾患(虚血性心疾患や不整脈など)

ポンプの役割をする心臓機能が低下して、充分な血液を送り出せなくなっている状態や心臓を動かす血管(冠動脈)に血液が十分に流れない状態などで起きます(=心不全)。また、息切れに加えて、胸の痛みや圧迫感、動悸などの症状が現れることもあります。主に心不全をきたす疾患は以下になります。

虚血性心疾患

心筋に十分な血液が供給されない状態が続くことで起こる病気です。冠動脈と呼ばれる心臓に血液を送る血管が、動脈硬化などによって狭くなったり詰まったりすることが主な原因です。心筋へ血流が不足すると、胸の痛みや圧迫感といった症状(=狭心症)が現れます。さらに、冠動脈が完全に詰まると心筋梗塞を引き起こし、重篤な状態に陥ることがあります。狭心症や心筋梗塞では、ほとんどの人が自覚症状を認めますが、糖尿病患者では、症状が乏しいことがあります。治療は、薬物療法や場合によっては冠動脈ステント留置術や冠動脈バイパス術の手術治療が必要となることもあります。
不整脈心臓の拍動のリズムが乱れる状態を指します。心臓は通常、規則正しく収縮と拡張を繰り返しますが、不整脈ではこのリズムの乱れ、頻脈(脈が速くなる)あるいは徐脈(脈が遅くなる)を認めます。不整脈の種類は多岐にわたり、症状も人によって異なります。動悸、息切れ、めまい、失神などの症状が現れることがありますが、無症状の場合もあります。
不整脈によっては治療を必要としませんが、中には命に関わる重篤なものもあります。治療方法は、原因や種類に応じて薬物療法、カテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込み、除細動器植え込みなどが選択されます。

肺疾患(慢性閉塞性肺疾患、喘息、肺炎、肺塞栓症など)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

主に長期の喫煙が原因で起こる肺の病気です。咳や痰、息切れなどの症状が徐々に悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。COPDの治療には、禁煙、薬物療法、酸素療法、呼吸リハビリテーションなどが用いられます。

喘息

気道の慢性的な炎症によって引き起こされる病気です。アレルギー物質や刺激物質に対して気道が過敏に反応し、気管支が狭くなることで、発作的な咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)、息切れなどの症状が現れます。喘息の治療には、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの薬物療法が主に用いられます。

気管支喘息

肺炎

ウイルスや細菌などの感染症によって肺に炎症が起こる病気です。咳、痰、発熱、胸の痛み、息切れ、呼吸困難などの症状が現れます。肺炎の治療には、抗菌薬や抗ウイルス薬などの薬物療法が用いられます。

肺塞栓症

血栓(血の塊)が肺の肺動脈を詰まらせることで起こる病気です。血栓は主に下肢の静脈でできたものが、血流に乗って肺に運ばれます。胸の痛み、突然の息切れ、咳などの症状が現れます。肺塞栓症は命に関わる緊急の病態であり、早急な治療が必要です。治療には、抗凝固薬や血栓溶解薬などの薬物療法の他に下大静脈フィルター留置、カテーテル治療や手術が行われます。

貧血

赤血球が不足することで、体内の酸素運搬能力が低下し、息切れが生じます。息切れに加えて、顔色が悪い、疲れやすい、動悸などの症状が現れることがあります。様々な原因があるため、医療機関に受診し原因疾患の治療をすることが大切です。

腎性貧血

肥満

体重が増えることで、心臓や肺への負担が増加し、息切れが生じます。単純性肥満である場合は、減量により症状が改善されます。当院では減量内科として保険診療および自費診療で治療を行っています。肥満は生活習慣病を引き起こすリスクがあるため、自覚症状が出現する前から体重管理を行うことが大切です。

生活習慣病

慢性腎臓病

慢性腎臓病では、腎機能の低下により体内の老廃物や余分な水分が排出されにくくなります。その結果、尿毒症や体内に水分が貯留により、肺に水がたまることで息切れが生じることがあります。また、水分が体内に溜まると心臓に負担がかかり、心不全を引き起こすことで、息切れを生じます。

慢性腎臓病

精神的疾患

パニック障害、不安障害、うつ病などの精神的疾患によって、過呼吸(過換気症候群)が引き起こされ、息切れを感じることがあります。過呼吸では、息切れに加えて、手足のしびれ、めまい、胸部不快感などの症状が現れることがあります。精神的疾患やストレスが原因の息切れは、原因となる疾患の治療が重要です。


慢性腎臓病による息切れ

慢性腎臓病では、腎機能の低下により体内の老廃物や余分な水分が排出されにくくなります。その結果、尿毒症や体内に水分が貯留により、肺に水がたまることで息切れが生じることがあります。また、水分が体内に溜まると心臓に負担がかかり、心不全を引き起こすことで、息切れを生じます。

慢性腎臓病による息切れの治療について

慢性腎臓病による息切れの治療は、余分な水の除去および老廃物の蓄積を防ぐことになります。具体的には以下のような治療が行われます。

食事療法(塩分や水分の制限を行います)

薬物療法
(a)利尿薬

余分な水分を排出します

(b)降圧剤など

心臓やその他臓器への負担を減らします

(c)吸着炭

尿毒症を引き起こす毒素を吸着し体内への吸収を妨げます。

(d) 炭酸水素ナトリウム

体内の酸性化を改善します。

透析療法

上記治療で効果が乏しい場合は、腹膜透析や血液透析を行う必要があります。

酸素吸入療法

体内の酸素化が不十分な場合は、酸素吸入が必要なり入院治療を要します。

息切れは、様々な疾患によって引き起こされる症状です。息切れが続く場合には、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。特に安静時や横になった時の息切れは要注意です。心疾患や慢性腎臓病などが重篤な病気が隠れている可能性があります。息切れでお悩みの方は、医療機関に受診して検査を受けることをお勧めします。

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